【近畿大会の競技の様子。左側は近大高専Aチーム「オキつも」のロボット=名張市夏見で】

 「アイデア対決 全国高等専門学校ロボットコンテスト2025」(全国高専連合会など主催)の近畿大会が9月21日、三重県名張市夏見のベルウイングアリーナ(市総合体育館)で開かれ、6府県の7校14チームが日頃のロボット製作の技術やアイデアを競った。地元の近大高専(同市春日丘)からも2チームが出場した。

 今年の大会テーマは「Great High Gate」。縦約10・5メートル、横約5・2メートルのフィールド内で、形や大きさの異なる5種類のボックスをロボットが運んで積み上げ、人が乗った台車を連結してゲートを通過するもので、積み上げるゲートの高さや、相手とのボックスの取り合いなど、技術力はもちろん、対戦形式ならではの対応力も問われる競技となっている。

対戦相手とボックスを取り合う近大高専Bチーム「ナーン、バリバリ」のロボット(左)=同

 この日は一般来場者約440人(主催者発表)が観覧する中、開会式で近大高専ロボット技術部部長の三堂百合香さんが、大会テーマにちなんで「見る人全てがあっと驚くような門を打ち立て、凱旋することを誓います」と選手宣誓をした。競技では、電気系統のトラブルで進めなくなったり、高く積んだゲートを残り数秒でくぐって逆転したりするなど、緊張感あふれる場面が続き、場内からは拍手や応援の声が送られていた。

 近大高専は、上級生主体のAチームが、ゾウをイメージしたロボット「オキつも」、下級生主体のBチームは猫をモチーフにしたロボット「ナーン、バリバリ」で大会に臨み、いずれもゲートを設置・通過し終えるところまでは進めず、予選で敗退。しかし、動物さながらの動きや可愛らしさが目を引き、Aチームがデザイン賞、Bチームも特別賞を受賞した。

閉会式前に演奏を披露する近大高専吹奏楽部のメンバー=同

 決勝は奈良高専Aチームと明石高専(兵庫)Aチームの対戦となり、奈良高専Aが出場チーム中唯一、予選からの4試合全てでゲート設置・通過を成功させ、優勝を決めた。優勝した奈良高専Aと、審査員推薦によって神戸市立高専Aチームと明石高専(いずれも兵庫)の3チームが全国大会出場の出場権を得た。全国大会は11月16日に東京・両国国技館で開かれる。

 上位と入賞は次の通り。

▽優勝 奈良高専A「金剛」 ▽準優勝 明石高専A「箱積明人(スタックメイト)」 ▽アイデア賞 神戸市立高専B「高架橋橋脚」 ▽技術賞 和歌山高専A「つむむ」 ▽デザイン賞 近大高専A「オキつも」

 名張での近畿大会開催は今回が初めてで、近大高専の教職員が準備や撤収、受付、警備など運営全般を担当。閉会式前には吹奏楽部による演奏も披露された。

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