【名張市内を力強く駆け抜ける志水さん】
衛星利用測位システム(GPS)を活用して走ったコースの軌跡でアプリの地図上にランナーの絵を描き、能登半島地震の復興を支援する「つながれJAPAN!」に挑戦した兵庫県西宮市の「GPSランナー」志水直樹さんが、7月上旬に三重県伊賀地域を駆け抜けた。活動や思いに賛同した伊賀、名張の2組の家族が宿泊の協力をするなど、交流を深めた。
きっかけは2016年、志水さんの地元・西宮神社の「福男選び」に参加した時。待ち時間にルート確認で見ていた地図に漠然と「西」の文字が浮かび上がり、「これを使って面白いことができるんじゃないか」と思いついたという。当時は小学校の特別支援学級の教員で、体が不自由でも一緒に楽しめるスポーツを考えていたこともあり、人と競わない「GPSラン」に可能性を感じたという。
ランニングアプリを使って走りながら地図上に経路を記録し、一筆書きのように文字や絵を描く。18年に台湾で発生した地震の際には「日本♡台湾」と描き、SNSでエールを送ると現地メディアなどに取り上げられた。それを機に「オリンピックじゃなくても多くの人を感動させられるかもしれない。活動を世界中でやっていきたい」と決意。翌年にはGPSランナーとして本格始動した。
コロナ禍で活動が途絶えたこともあったが、昨年は日本と国交樹立150周年を迎えた南米ペルーを訪れ、約90日間かけて走り、アルパカの絵を描いた。これまでに世界12か国で計1万5000キロを走った。

今年4月からは西宮市を発着点に21府県3700キロを走り、能登半島地震復興を支援する取り組みに挑戦。腕を振って走るランナーの絵を1日約35キロ走って描き、7月26日にゴールした。雨の日も猛暑の日も走り続け、21府県を巡って完成した地図では、能登半島を右腕、中国地方を右足にしたランナーの絵の左ひざ裏辺りが伊賀地域になっている。
高校時代から仲の良い同級生、名張市桔梗が丘西の木下聖子さんは、志水さんが活動を始めてから応援してきたという。伊賀地域がコースに入ることを知り、宿泊場所の協力者として名乗り出た。

木下さんの知り合いで、伊賀市猪田の坪田悦子さん家族も、3泊の予定のうち最初の2泊を提供。坪田さんは「テレビで知っていて興味もあった。誰とも競わないという思いに感動し、協力できてうれしかった」と話した。
これからも全力応援
伊賀最終日の7月8日は木下さん家族が協力。陸上部所属で中学3年の長男・蒼介さんは「一緒に走りたい」と切望していたものの授業と重なりかなわなかったが、小学5年の次男・叶逢さんとともに「世界で一つだけの職業を作ったきっかけ」や「継続する精神力やテクニック」の話を聞き、刺激を受けたという。
木下さんは「GPSで絵を描くという想像力もすごいし、それを職業として頑張っているので応援してきた。もっと皆に知ってもらいたいし、浸透してほしい。これからも全力で応援し続ける」とニッコリ。
志水さんはホームページ(https://gps-run.com/cv/)で活動の情報を発信している。
