【ロボット製作に知恵を出し合う部員たち=名張市で】
「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2025」(全国高専連合会など主催)の近畿地区大会が、9月21日に三重県名張市夏見のベルウイングアリーナ(市総合体育館)で開かれる。同市での開催は初で、主幹校の近畿大学工業高等専門学校(同市春日丘)では無料観覧を受け付けている。
9、10月に全国8地区で予選が行われ、近畿地区大会は上位3チームが11月の全国大会に出場できる。今年の競技課題「Great High Gate」は、3分間の競技時間内に、ロボットを操作して大きさや形の異なる5種類のボックスを積み上げ、完成したゲートを人が乗った台車と一緒に通過することで得点が入るもので、近年無かった「ロボットが人を運ぶ」場面も見どころだという。
時間は午後0時半から同5時20分まで。全席自由。観覧希望者は、イベント管理サイト「ピーティックス」の同大会ページ(https://kosen-robocon2025-kinki.peatix.com/)からアプリを利用して電子チケットを入手する。1回につき2人分までの申し込みが可能。9月5日正午締め切り。
問い合わせは同大会事務局(0595・41・0111)へ。
地元開催、強い思い 主幹校の近大高専
近大高専は、2006年と23年に近畿地区大会を突破し、全国大会に出場している。地元開催に向け、ロボット技術部の部員約20人は、部長や2人のチームリーダーを中心に、ロボットの製作・改良を進めている。
23年は17年ぶりに全国出場を果たしたが、昨年は納得のいく結果が出せなかった。部長の三堂百合香さん(2年)のもと、設計や加工などで特定の担当者に負担がかかりすぎる、実際に動かして練習する時間が少なくなる、などの反省点を少しずつ改善してきた。
上級生主体のAチームは、リーダーの植田天さん(4年)を中心に、確実に得点を取りにいくロボットを、1、2年生中心のBチームは安富亘さん(2年)を中心に、外観や機構の面白さにこだわったアイデア勝負のロボットを作っている。近畿地区大会が例年より1か月早い開催となり、進度の早いAチームが得た成果をBチームにも生かせるよう、連携を取り合っているという。
夏休みもにぎやかな部室
今年は1年生が多く入部し、例年は帰省などで寂しくなる夏休みの部室も連日にぎやかなほど、大会にかける思いは強い。三堂さんは「学校を支えていただく地元の皆さん、特に小中学生に『ロボットって面白そう』『自分もやってみたい』と思ってもらえるような大会にしたい」と意気込みを語った。
同部顧問の堀内誠特任教授は「皆が思い描いたロボットで、満足のいく動きができることが大切。さまざまなものづくり分野の人材育成のためにも、ロボコンの活動ができる環境を更に整えていけたら」と話した。