【伊賀市議会議場=同市四十九町】

 三重県伊賀市議会の議員政治倫理審査会(西口和成会長)は8月22日、森中秀哲市議(草の根・無所属フォーラム)の行政視察を巡る発言やSNSの情報発信が条例で定めた政治倫理基準に違反する恐れがあるとの調査請求に対し、「違反」との審査結果を赤堀久実議長に報告した。政倫審から森中市議への措置を委ねられた赤堀議長は文書で注意する考えを示した。

 森中市議は6人いる議会運営委員会の1人で、7月9日から1泊2日の予定で北海道への行政視察に参加予定だったが、直前の6月17日に開かれた会議で不参加を表明。視察の経費や行程などを問題視し、SNSでも情報発信していた。

 政倫審は調査報告書で、森中市議がSNSに投稿した内容のうち、確認した事実として「行政視察の行程と費用に関する発信」と「副議長参加に関する発信」が議会の品位と名誉を損なう行為と認められると評価した。確認を欠いたまま事実と異なる金額や情報の発信したことが読んだ人に誤解や疑念を抱かせてしまうと指摘した。

 政倫審の委員は調査対象の森中市議を除く議運委と同じ委員ら6人で構成し、7月9日から計6回開かれた。森中市議は「北海道視察に不参加を表明したことへの『腹いせ』のような不当な審査結果であり、断じて受け入れることはできない」とコメントし、今後の対応について法的手段も含め検討するとした。

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