【空き家管理サービスについて話す遠山社長(中央)=名張市鴻之台で】
三重県名張市がこのほど、ふるさと納税制度を活用し、遠方に在住していて空き家となっている市内の自宅や実家などを定期的に管理できない人に向け、建物外観の点検や換気、簡易清掃など3か月間のお試しサービスが受けられる商品の受付を開始した。
市住宅室と、昨年6月から空き家管理サービスを実施している名張近鉄ガス(同市桔梗が丘1)によると、2023年の空き家対策特別措置法改正により、放置すると倒壊などの危険がある「特定空家」に加え、窓や壁などが破損している「管理不全空家」も自治体からの指導・勧告の対象となり、固定資産税の軽減措置が受けられなくなるため、適切で継続的な管理がより求められるようになっているという。
対象は、名張市外に住み、市内に住宅や土地を所有している人。クラウド型管理システムを利用し、パソコン・スマートフォンから写真や動画も盛り込んだ管理レポートを確認できる。お試しサービスは2種類で、内容は以下の通り。
▽ライトプラン(最低寄付額5万円)=月1回、約30分間。屋外の確認・点検(郵便受け確認、簡易清掃、建物外部目視点検、庭木の確認、管理看板設置)
▽スタンダードプラン(同10万円)=月1回、約1時間。ライトプランの内容に加え、室内の確認・点検(全室換気、通水、防犯確認、簡易清掃、雨漏り・カビ確認)
8月4日にあった報道向け発表会で、同社の遠山雅夫社長は「事業をやっていることがうまく周知できていなかったが、ふるさと納税の制度を活用し、少しでも試していただける機会になれば」、北川裕之市長は「なかなか空き家の適正管理に至らないことも多い中、費用も明確化され、安心していただける良い手法だと思う」と期待をのぞかせた。
制度や商品については同市のウェブサイト(https://www.city.nabari.lg.jp/s043/20250731115054.html)に掲載。問い合わせは市住宅室(0595・63・7740)へ。