【赤目の自然に魅せられたトレバーさん=名張市で】

豊かな自然に魅せられ

 オーストラリア北部の都市ケアンズから、昨年4月に三重県名張市赤目町柏原へ移住した川田トレバーさん(58)、愛里さん(53)夫妻。トレバーさんは6月下旬にあった同市エコツーリズム推進協議会主催の「EnglishNatureTour」で、ガイド役として赤目四十八滝を英語で案内した。

 自動車部品メーカーのエンジニアとして働いていたトレバーさんと、外資系企業に勤務していた熊本県出身の愛里さんは2007年にオーストラリアで出会い、その後結婚した。トレバーさんは元々、日本の文化や歴史などに興味があったそうで、結婚を機に日本に移住したいと思いを募らせたという。

自宅2階で、趣味のレザー小物を制作するトレバーさん(左)と愛里さん=名張市赤目町柏原で

 2人の子どもたちも独立する中、夫妻で日本の物件を本格的に探したが、条件が合うものが見つからず諦めかけた昨年、探し始めて40件目となった今の物件をウェブサイトで見つけ、移住を即決した。

 トレバーさんによると、赤目町はケアンズに似て美しい川や滝があり、自然が豊か。住居も、すぐにでも住めるほど奇麗だったのが気に入ったそう。現在、週に3、4回は自宅から滝までの往復約7キロをジョギングし、時には滝の上流までの険しい登山道を早足でパワーウォークする。「赤目滝は、ジュラシックパークのように人工的に作られたものではなく、何百年も前からある渓谷であり、忍者の修業の場としての歴史にも興味が湧く」と話す。

 「名張の川もすごく奇麗」と話すが「カヌーに乗ったり、河原でバーベキューを楽しんだり、フィッシングが年中できるようになれば家族連れで楽しめる。そのように行政が整備してほしい。また地元の方は、名張の魅力にもっと気づいて感謝し、外にPRすべき」と強調する。今後については「できれば英会話レッスンも開きたい」と話す。

 夫妻はオーストラリアで、日本の学生ら40人ほどをホストファミリーとして受け入れた経験もある。愛里さんは「料理や人の世話をすることが大好き」。移住後も、オーストラリアからの友人やホストファミリーとしてもてなした日本人ら10組以上が自宅に来てくれたそうで、「これからもホストファミリーをやりたいが、日本ではさまざまな制約や規制があり、なかなか話が進まない」と残念そう。

 手先の器用なトレバーさんは、車でキャンプに行く時は、ドアやベッド、ダイニングテーブルなど生活に必要な装備を備えたトレーラーも全部自分で作ってしまう。また、時間があれば2階の作業場でレザーを使ったグッズの制作に励んでいる。キーホルダーやカード入れ、ピアスなどで、作品はインスタグラム(@tjs_leather)で紹介している。「地元のビジネスの方とコラボし、作品を販売できれば」とトレバーさん。

 作業場の横には体力作りのための器具とジムスペースがある。「今年の夏、ホストファミリーとして受け入れた親子と一緒に富士山を登るので、今からトレーニングしている」と笑った。

 問い合わせは愛理さん(080・8349・9021)まで。

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