【「くだらないものグランプリ」キャラバンで成果を話すデイ・プラフトの浦地社長(中央)】

 樹脂製品を受注生産する三重県伊賀市荒木の「株式会社デイ・プラフト」は、コロナ禍に始まった、全国の町工場が技術と知恵、クスっと笑えるアイデアで競う「くだらないものグランプリ」で優勝し、一躍その名を上げました。従業員数12人(うち技能実習生2人)のものづくり集団は、日頃どんな思いで仕事に取り組んでいるのか、製造担当スタッフ3人と浦地泰佑社長(44)に聞きました。

 新型コロナ、地震・豪雨災害、米中問題、ロシア・ウクライナやパレスチナの戦乱など、同社が誕生し成長してきたこの数年間は、日本だけでなく世界が混乱の中にいます。

 しかし、浦地社長は「混乱の中にいるからこそ、現状を打開するものづくりができる」と考えています。

デイ・プラフトの浦地泰佑社長=伊賀市荒木で

 社名の「デイ・プラフト」は、「プラスチック」と「クラフト(技・工芸)」に「日々(day)の生業」という思いを加えた造語。

 「製品と同じく、いろんなアイデアや思いが組み合わさって形になる、ということを表しているのかもしれません」と浦地社長は話します。

失敗を解決し、どう次につなげていくか

 若手スタッフのリーダー的存在、製造部主任の川野堯雄さん(26)は、前職場が同じだった浦地社長のもとへ移って3年半。「高校時代はメカトロニクス部の部長をしていて、マシニングセンタなどの機械をよく使っていました」。

製造部主任の川野さん

 「製造業が未経験で入社しても、機械の準備の流れや操作方法、プログラムの設定方法など、一連の流れが分かるようレクチャーしています」と話す川野さんは、仕事を覚えていくうえで大事なポイントについて、「当たり前のことですが」と前置きしたうえで、次の3点を挙げました。

「分かりにくいことは、メモを取る」
「分からないことは、すぐに聞く」
「事前の準備を怠らない」

 「仕事を覚え、経験を重ねていく中で、失敗はつきもの。ですが、そこで大切なのは、起こった失敗で悩むのではなく、その失敗をどう解決し、どうやって次につなげるか、ということ。それが個人の成長、ひいては会社としてプラスになるからです」(川野さん)

製造に使う機械を操作する川野さん

「スキルアップした実感」

 2022年秋入社の畑岡歩夢さん(22)は、全くの他業種から転職でした。

 「今では多い時で3台の製造機械を担当することもあります。充実していて、スキルアップしたなという実感があります」。

機械を準備する中村さん

 同じく2024年春入社の中村遥斗さん(20)は、主に機械のセットや製造準備、簡単な検査などを担当しています。

 「工場というと、あまり人と話したり関わったりしないイメージでしたが、世代が違っても話しやすい雰囲気が好きです」。

 「自分が教わった時は、難しいと感じたことがたくさんありました。そのぶん、自分が教える時は分かりやすく説明してきちんと伝えようと、気をつけるようになりました」(畑岡さん)

 「分からないことを気軽に聞けるのがありがたいです。任されることが増えてきたので、少しでも失敗を減らしていきたいです」(中村さん)

取材を受ける(左から)川野さん、畑岡さん、中村さん

 「スタッフそれぞれに得意や個性があるのはもちろん、『何に長けているか、まだ気づいていない』こともある。得意分野を増やし、伸ばしていける挑戦がしたい」(浦地社長)

 そんな中、会社ぐるみでチャレンジしたのが「くだらないものグランプリ」でした。

町工場がアイデア競う
「くだらないものグランプリ」

 2020年から毎年開かれてきた「くだらないものグランプリ」は、東海地方を中心に全国の金型製作、金属加工、溶接などの町工場がエントリーし、各社の粋を集めた「くだらなくて笑えるもの」で競うコンテストです。

 「大会のファンだった」という浦地社長の強い思いもあり、2023年、2024年と続けて2度、出場しました。

【くだらないものグランプリ】 ※外部リンク(過去のLive配信動画も見られます)https://peraichi.com/landing_pages/view/34cx4

 初出場の2023年は、ワンプッシュで小瓶1本半の一味唐辛子を出せるロボット「ドバット」で見事グランプリを獲得。現在も勤務するインドネシア出身の技能実習生2人の食事風景がヒントになりました。

 連覇を狙った2024年は、ハンドルを回し続けると“パンツをちょっとだけ早く乾かせる”装置で2位に輝きました。

ショッピングモールでの「くだらないものグランプリ」キャラバンの様子

 会社を家に例えれば、浦地社長はさながら「お父さん」で、笑顔の絶えない家族やきょうだいのようなスタッフたち。

 大会前の数か月間、日常の業務が終わってから「ああでもない、こうでもない」と意見を交わして試作を重ね、本番は見事な劇仕立てのプレゼンを披露しました。

 2025年の開催は未定ですが、「大会が無くても何か作ってみたい」と意欲的なスタッフもいるとか。

「生み出す経験」プラスに
一丸で取り組む雰囲気

 「普段の業務は、取引先との入念な打ち合わせに基づいて製図、設計、加工などを重ねていく仕事なので、『自ら考えて生み出す』ことは少ない。ゼロから皆で考え、新たなものを生み出すという経験は、間違いなくプラス」(川野さん)

包装資材についてスタッフと話す川野さん(右)

 「日々の仕事も、こうしたイベントも、やるとなったら一丸で取り組む雰囲気が楽しいです。時には社長がバーベキューや焼きいもなどを企画してくれました」(畑岡さん、中村さん)

社内の雰囲気について話す畑岡さん

 「仕事に直結するものではありませんが、『どうせやるなら、楽しんでやろう!』と。出場した後は、取引先や友人・知人らから『グランプリ獲得おめでとうございます』『あれ、どうやって思いついたんですか?』など、さまざまな感想を寄せていただくようになり、話題には事欠きません」(浦地社長)

仕事内容について話す中村さん

 今は「新たな力も加え、全員で良い会社を作っていく」こと、将来は「プラスチックの総合メーカーになること」が浦地社長の目標だといいます。

「令和最初の町工場」が仕掛ける、新たな「ものづくり」から目が離せません。

話を聞いた人

浦地泰佑社長

製造部主任 川野堯雄さん
製造部スタッフ 畑岡歩夢さん
製造部スタッフ 中村遥斗さん

(2025年2月取材 編集チーム 山岡博輝)


株式会社デイ・プラフト

勤務地

伊賀市荒木324-1

募集職種

(1)正社員

仕事内容プラスチック製品製造装置の操作、CADの操作
給与20万円~(試用期間あり)
時間8:30~17:30、10:30~19:30の2交替制 (変動の場合あり)
休日週休2日、GW、夏季、年末年始 (会社カレンダーに準ずる)
条件40歳位まで(省令3号のイ)
待遇賞与年3回(業績による)、昇給あり、制服貸与、各種社保完備
その他★製造業未経験OK! 経歴を問わず活躍しています。

(2)製造パート

仕事内容プラスチック製品の仕上げ、検査、梱包
給与時給1,100円~
時間1日3時間~(相談可)
休日土,日,祝 (会社カレンダーに準ずる)
その他★製造業未経験OK!
★短期間勤務・夜のみ・ダブルワークもOK!
 あなたのライフスタイルに合わせて働けます♪

(3)事務パート

仕事内容PC入力作業、電話対応、接客、その他雑務
給与時給1,100円~
時間1日3時間~(相談可)
休日土,日,祝 (会社カレンダーに準ずる)
その他★短時間勤務OK!
★週3日以上働ける方 (相談可)

募集期間

2025/6/2 ~ 2025/8/2

採用予定人数

(1)(2)(3)ともに複数名

応募方法

下記の問い合わせフォームよりお問合せください。
お電話からのお問合せも承ります ☎0595-51-7754

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