【名張署庁舎=名張市蔵持町芝出】

 三重県警名張署は2月9日、県内に住む50代の男性が、SNSを通じて知り合った人物から株の購入を勧められ、投資目的で振り込んだ現金約2600万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。

 発表によると、男性は昨年11月、SNS上で見た投資関連広告を通じ、著名な企業経営者を名乗る人物と交流を持った。その後、そのアシスタントを名乗る人物から株取引を勧められ、今年1月末までの間にネットバンキングで計15回、名義や金融機関が都度異なる相手口座に現金を振り込んだという。

 男性が「預けた現金を引き出したい」と申し出たところ、「手数料が必要」と言われ、更に現金を振り込んだが返金されなかったため、2月初旬に同署へ相談した。男性が相手から見せられていたウェブサイト上では利益が出ていることになっていたという。

 県警によると、県内で2023年中に発生した同様の投資詐欺は113件、被害額は約11億5230万円に上り、特殊詐欺の被害額(約7億760万円)を上回っており、今年1月の1か月間だけでも2億4000万円以上の被害が出ているという。

 投資アドバイザーやトレーダー、投資家、著名人などを名乗り、SNSやマッチングアプリ、インターネット広告などを通じて「○○万円投資すれば○○万円くらいの利益が得られる」「1週間で利益が倍になる」などとうたうケースが多く、警察では、SNSなどで知り合った相手の話を安易に信用せず、信頼できる人や機関へ相談するよう注意を呼び掛けている。

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