【「やぶっちゃよもぎもち」】

 2005年に島ヶ原温泉「やぶっちゃ」(三重県伊賀市島ヶ原)がオープンして以来、地元特産品として愛されている「よもぎもち」。

 地元の60、70代の女性が3、4人ずつ5チームを組み、交替制で毎朝7時からもち米を蒸し、ヨモギを入れて餅つき機でつき、あんを詰めて一つひとつ丸めている。その日売る品は、その日に作る。作りたての餅を求めて訪れる、温泉の利用客らに人気だ。

 餅米は地元産の品種「ふわりもち」で、柔らかくて粘りも強く、契約農家から仕入れている。ヨモギは、主に地元産を使う。

 「郷土史によると、島ヶ原は平安時代には『よもぎが原』と呼ばれるほど群生しており、貴族の狩り場だった」と話す、株式会社島ヶ原リゾートの川森正嗣さん。地元の女性らが1年分を採集し、冷凍保存しているという。

 ヨモギは香りが良く、栄養価も高い。粒あんの材料の小豆は、北海道産を使っている。同温泉の直売店と道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」(南山城村)の2か所で販売。生で日持ちがしないため、ネット販売など大量販売には向かないそうだ。

 川森さんは「大量に出回らない限定品だからこそ値打ちがあり、今まで存続してきたと思う。愛情込めて作ったよもぎもちをぜひ」と呼び掛けた。

 価格は1パック(大3個入り、または小5個入り)税込み450円。

 問い合わせは同温泉(0595・59・3939)まで。

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