【名誉賞に輝いた「はる」号と出品者の東口さん=伊賀市千歳で】

 三重県伊賀市千歳のJA全農みえ伊賀畜産市場で11月10日、2023年度の伊賀産肉牛共進会が開かれ、最高位の名誉賞に同市大内の肥育農家、東口靖生さん(49)が出品した「はる」号が選ばれた。

 主催は伊賀産肉牛生産振興協議会。伊賀牛は同振興協の会員が肥育する黒毛和種で未出産の雌であり、伊賀・名張両市で1年以上飼養された牛と定義している。

 JA全農みえによると、会員は25戸で、飼養頭数は計約2400頭。約7割が飼育農家の庭先で生産者と販売者が顔を合わせて行う「生体取引」と呼ぶ全国でも珍しい流通方式を採用し、年間約1200頭を出荷している。

 23年度の共進会には伊賀と名張市の農家14戸が計23頭を出品。名誉賞の「はる」号は21年4月生まれで、体重740キロ、体高137センチ、胸囲232センチだった。

 審査委員長を務めた県畜産研究所の梅木俊樹主幹研究員は「肩・胸から背・腹の深み、尻・ももの幅が極めて充実しており、各部位のバランスもいい。雌牛らしい品位が感じられ、まさに名誉賞にふさわしい牛」と講評した。

 共進会への出品は今回が初めてという東口さんは「肥育農家を始めてまだ7年。近所に住む大先輩の元で教わって、2年前から自分の牛を持てるようになった。初出品の牛が名誉賞になり、驚いている。また選ばれるよう頑張って育てたい」と喜びを語った。

 審査後には競り販売があり、最高価格は「はる」号の税込み180万8400円。平均価格は同144万953円だった。

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