【「ペットボタル」を手にプロジェクトへの参加を呼び掛ける会のメンバー=名張市夏見の夏見廃寺跡で】

「大来皇女をしのぶ会」

 三重県名張市夏見の国史跡・夏見廃寺を今年12月から来年3月までライトアップするプロジェクトを、同寺ゆかりの大来皇女(おおくのひめみこ)を顕彰する「大来皇女をしのぶ会」が計画している。前年度に続く取り組みで、市、市教育委員会との共催。3500個の明かり設置を目指す。

会のメンバーが作った「ペットボタル」(提供写真)

 大来皇女は天武天皇の娘で、初代斎王として伊勢神宮に仕え、万葉歌人としても知られる。皇女の発願で建立された昌福寺が、現在の夏見廃寺とされている。

 同会は1995年に同寺跡に歌碑を建立した実行委員会の後身団体で、皇女をしのぶ「あしび忌」の開催や、事績を後世に伝える絵本の制作などの活動をしてきた。会員の高齢化などで一時活動を休止していたが、歌碑建立30年記念に向け、同会代表の菅井照代さん(68)が実行委員長となってプロジェクトを進めている。

 ライトアップで使うのは、ペットボトルの中に太陽光パネルやLEDランプを組み込んだ「ペットボタル」と呼ばれる装置。昨年は試験的に約100個の光で金堂跡付近を照らした。今年は更なる規模拡大を図る。

 7月23、26、30、8月11、12、20の計6日間、いずれも午後1時30分から同3時まで、市教育センター(百合が丘西5)でペットボタル作りの講座を開く。参加費は1500円で、各回先着30人。参加者は好きなメッセージなどを書き込んで組み立て、完成した装置はイベント時に現地に設置する。

 菅井さんは「楽しく作りながら、夏見廃寺のことを知って頂き、現地にも足を運んでほしい」と参加を呼び掛けている。

 同会ではプロジェクトへの協賛も募っている。1口1500円(ペットボタル1個を外注組み立て)から。

 問い合わせ、講座の申し込みは市教委文化生涯学習室(0595・63・7892)へ。

2023年7月15日付847号2,3面から

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