【第1回目の講演会の様子=山添村大西で】

 地元のさまざまな分野の先輩たちに学び、将来像を描く助けにしてもらおうと、奈良県山添村立奈良県立山辺高校山添分校(山添村大西、倉田嘉人校長、生徒数34人)が今年度、「サンライズ講座」と題した講演会を初めて企画し、6月初旬に第1回が開かれた。

 昼間定時制の4年制の同分校には農業科と家政科があり、村内だけでなく伊賀地域や奈良県内から生徒が通学している。第1回の講師は、分校近くで診療所を営み、村議も務める野村信介さんで、地元出身の腎臓内科医として「この世で最もぜいたくな食事とは?」と題して講演。進行役は生徒会役員が務めた。

 野村さんは、野菜や肉など、身近にある食材そのものに塩分はほとんど含まれていないが、調味・調理することで塩分が加わり、摂取しすぎると生活習慣病や高血圧などの原因になると解説。「新鮮な食材本来の味を楽しむことこそが最もぜいたくな食事ではないか」とまとめ、「農業科は無農薬・減農薬の野菜を作り、家政科は体にやさしい調理法を考えるなど、4年間の学びの中でやりたいことを見つけていってほしい」と呼び掛けた。

 講演を聞いた農業科4年の男子生徒は「知っていて損はない話を分かりやすく教えてもらえた。今から自分ができることをやっていきたい」と話していた。講座は2か月に1回程度開かれる予定で、村内の事業者や地元で活躍するOBらを招く予定だという。

2023年7月15日付847号4面から

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