【対局のシミュレーションをする林さん=名張市春日丘で】

 7月24日から東京都で開かれる「第47回全国高校囲碁選手権大会」の個人戦に、5月の三重県大会で優勝した近畿大学工業高等専門学校(名張市春日丘)3年の林優真さん(18)が初出場する。高校年代の大目標としていた大会を前に「悔いの残らないような対局をして優勝したい」と意気込んでいる。

 津市在住の林君は、兄の影響で小学校入学直前に囲碁を始め、伊勢市内の初心者向け教室に週1回ほど通うようになった。最初は単に習い事として取り組んでいたが、上達していくにつれ、囲碁の奥深さを知って熱中し、全国大会に出場するほど腕を上げた。

 小学5年の秋には、今も通う日本棋院中部総本部(名古屋市)で、プロ棋士を目指して専門的な指導を受ける「院生」となり、先輩たちとの対局を重ね精進してきた。高専1年の秋に院生を辞してからは高校連盟や一般の大会に出場できるようになり、現在の段位は七段。二段以上の4人で争った今回の県大会では3連勝し、同選手権と、8月に開かれる全国高校総合文化祭(総文祭)への出場権を得た。

 近年、囲碁や将棋の上達にはAIの活用が当たり前になり、林君もスマホのAIアプリを反省点や良かった手などを振り返るツールとして使っているが、必要以上に頼りすぎないよう気をつけているそうで、「前に覚えた手や攻め方が常にアップデートされていくので、学び続けないと」と気を引き締める。

オンラインとAI

 同高専には囲碁のクラブ活動は無いが、平日は帰宅後にオンライン対局、週末は同総本部などへ足を運んでは研究に打ち込む。コロナ禍で増えたオンライン対局は「長時間に及ぶと目の疲れも増す」と苦笑い。高校年代の集大成として両大会に臨み、更には年1回受けられるプロ試験を目標に据えている。

 同選手権は同棋院東京本院(東京都千代田区)であり、リーグ戦と決勝トーナメントが行われる。

県大会の賞状とメダルを手にする林さん=同

2023年6月24日付846号2面から

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