【要救助者に見立てた隊員を引き揚げる他の隊員たち=名張市上比奈知で】

 三重県の伊賀・名張両消防署は5月29日、比奈知ダム(名張市上比奈知)で救命ボートを使った水難救助訓練を合同で実施した。参加した両消防署の隊員22人は、ボートの操作や救助の手順などを確認した。

 昨年、両市で結ばれた消防連携に関する協定に基づく合同訓練の一環。今年3月の川上ダムの完成に合わせ、ダム湖内での円滑な救助体制の構築を目指し、実施を決めた。

 この日、隊員たちは3そうのボートに分かれ、ダム湖面に浮いている要救助者に見立てた隊員を、ボートに引き揚げる訓練に取り組んだ。他にも、落水した時の対処方法や、ブルーシートを使った要救助者の引き揚げ方について説明を受けた。訓練は30日にも同内容であり、別の隊員たちが参加する。

 冒頭のあいさつで、名張消防署消防救助室の宮阪昇室長は「救助事案は頻繁にあるわけではないが、いつでも対処できるように備えておくことが大事」と呼び掛けた。訓練後、参加した20代の隊員は「この経験を生かして、実際の救助でも落ち着いて対応したい」と気を引き締めた。

 両消防本部によると、昨年の水難救助の件数は伊賀市で0件、名張市で4件あった。

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