【「伊賀上野音頭」を歌う宮崎さん(前列右から2人目)、喜多さん(同3人目)ら=伊賀市阿山ハイツで】

 民謡やよい会(森永弘昌会長)による33回目の発表大会が、6月4日午後1時から三重県伊賀市西明寺の市文化会館さまざまホールで開かれる。幅広い年代の会員たちがいる中で、90歳を越えてなお唄の稽古に励んでいる同市の男性3人も舞台に立つ。

「祖谷の粉ひき唄」を歌う村本さん=伊賀市上神戸で

 「祖谷の粉ひき唄」で出演する朝日ヶ丘町の村本常男さん(94)は、県外から転居して間もなく同会に入り、神戸教室に通っている。毎年の発表大会には「さんさ時雨」「宇和島さんさ」などで名を連ねてきた。

 板金職人として長年丁寧な仕事を続けてきた村本さんらしく、譜には自分が歌いやすいようメモを書き込んでいる。工作や手芸、絵画など、民謡以外の趣味も多彩で、「しっかり歌いたい」と気を引き締めていた。

 阿山教室に通う阿山ハイツの宮崎次男さん(93)は「鈴鹿馬子唄」、喜多正好さん(93)は「吉野筏流し唄」で出演する。

 宮崎さんは警察官として地元にも長く勤務し、退職後に「健康のために」と民謡を始め、キャリアは30年以上。妻とともに参加している喜多さんは「こうして歌うことができて楽しい。先生や妻に感謝している」と謙虚に話していた。

 中野弥生会主(76)は「3人とも純粋で、穏やかで、何より90代で元気に参加してくれていることがすごい。しっかり舞台に立って稽古の成果を出してもらえたら」と期待を込めて話した。

 発表大会は、開幕の「やよい会音頭」「伊賀上野音頭」「ドンパン節」からフィナーレの「伊賀上野小唄」まで、全国各地の40曲の歌や踊りを披露する。踊りの賛助出演は庄扇会、扇友会、松栄会。入場無料。

 問い合わせは中野会主(0595・23・7617)まで。

2023年5月13日付843号8面から

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