【(左から)展也さん、裕子さん、順子さん、福岡さん、篤也さん=伊賀市下柘植で】

 三重県伊賀市上野紺屋町の福岡友也さん(54)家族は、5人それぞれが演奏家や指導者として活動している〝音楽一家〟だ。ジャンルは異なるが、それぞれの演奏活動をサポートし合っており、今年3月には5人でのコンサートも実現。家族での音楽活動をアピールするため、ロゴマークも作成した。

 福岡さんは県立上野高時代、父の影響でアルトサックスを始めた。音楽教員となって県内各地で吹奏楽部の指導に携わり、特に母校では16年間にわたって指導してきた。妻の順子さん(55)も同高時代にクラリネットを始め、教員として伊賀市内の中学校で吹奏楽部の指導を続けてきた。

 そんな両親の背中を見て、3人の子どもたちは自然と音楽の道へ進むようになった。

 中学時代にクラリネットを始めた長女の裕子さん(27)は、同高から東京音楽大、京都市立芸大大学院を経て、今春から静岡県内で音楽活動を始めた。2022年にはアジアの有望な若手音楽家が集まる「アジアユースオーケストラ」に加わり、イタリア・ドイツの7都市での演奏ツアーに参加した。

 三重大時代に軽音学部でドラムを始めた長男の展也さん(25)は、伊賀市若者会議の一員として「音楽で伊賀市を元気にしたい」との思いで音楽イベント「伊賀音脈(ビート)」を主催。上野高時代にサックスを始めた次男の篤也さん(23)は、有志と昨年末結成した「忍ウインドアンサンブル」でリーダーの一人として活動をけん引する。

 3月には、同市の西柘植地区で開かれたコンサートで初めて5人がそろい踏み。これからも、家族皆で音楽活動ができたらと願う5人。福岡さんと順子さんは「訪問演奏などで私たちの音楽を届けられたら」、展也さんは「聞いて頂く方に向けて、家族愛を音楽で表したい」と思いを話した。

2023年4月22日付842号1面から

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