【風早さん】

趣味やボランティアにも

風早洋子さん(68)

 「仕事も普段の生活も、人と関わるのが好き。定年を過ぎても続けられるのは、この仕事がとにかく楽しいから」。40代後半に入った福祉業界で今も精力的に仕事を続け、趣味やボランティア活動も楽しんでいる。

 学生時代から福祉の仕事は視野に入れつつ、中学校教諭や幼稚園教諭の免許も取得。会社勤めを経て、48歳の時にホームヘルパーの資格を取った。2005年にグループホームのワーカーとして名張育成会(名張市美旗中村)に採用され、その後介護福祉士の資格を取得し、通所介護施設や知的障害者の生活支援施設などで計18年間勤務してきた。

 現在の仕事は、起床や就寝、料理、通院、買い物の支援、対話、散歩などで、年齢層は子どもから高齢者まで幅広く、本人や家族の要望によって支援内容は多岐にわたる。グループホームを日に4か所ほど回って入浴介助を行うこともあり、スタッフたちは「経験を重ねてきた風早さんだからこそ柔軟に対応できる」と、その背中から多くのことを学んでいる。

 そんな風早さんでも、慣れない時には利用者の気持ちをくみ取れず、ヘルパーとしてどう支援すればいいか悩んだ時期があった。自身が元気のない時に利用者が「どうしたの」と聞いてくれたり、歯磨きなど昨日までできなかったことができたりした時は家族とともに喜び、「うれしい気持ちでいっぱいになり、やりがいを感じる」そうだ。

 現在も読み聞かせや配食などのボランティア活動に勤しみ、3B体操や水彩画などの習い事を続けている。「よく食べてよく寝る、それが元気の源。利用者さんとカラオケをしていても一緒に楽しんでいる」と顔をほころばせる。「これからも利用者の皆さんが生活を楽しめるような支援を心掛けたい。グループホームなどでは、ゆったりと気持ちに沿って話を聞き、本人の意思が能動的に出せるようにしていけたら」。

2023年3月25日付840号10面から

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