「忍者の携帯食」とされるかたやきをパステルカラーの缶に詰めたのが、合名会社平木製菓(三重県伊賀市上野忍町)の「忍者のおやつ缶」だ。
創業73年を迎える同社では、東京・銀座の歌舞伎座など全国の大劇場の観劇記念品として俳聖・松尾芭蕉をイメージした菓子「俳風お好焼」を販売してきたが、コロナ禍で劇場が休館になり、工場閉鎖も考えたほどの大打撃を受けた。2代目の平木正人社長(68)は「全国からこの菓子を残してほしいという温かい激励とご支援を頂き、在庫も一掃し、急場をしのぐことができた」と語る。
今回認定された「忍者のおやつ缶」は、かたやきそのものは従来品と同じだが、忍者の携帯食のルーツに立ち返り、劇場ではなく伊賀を訪れる観光客の土産需要につなげていく。
秘伝の焼き方
原料は小麦粉と砂糖で、水分が完全に飛ぶまで焼き上げる。秘伝の焼き方で、手で簡単に割れ、口に含むと自然に溶けるので乳幼児や高齢者にも勧められるという。バター、牛乳などの乳製品や卵を使用せず、飽きのこない自然の風味を保ち、賞味期限は6、7か月。
ゴマや青のり風味など5枚入りで、手裏剣や忍者の絵柄がプリントされたものや「己に勝つ」などのメッセージ入りもある。
忍者の可愛いキャラクターをデザインした缶はピンク、アイボリー、ミントブルーの3色。1缶税込み1000円で、だんじり会館(上野丸之内)、上野公園レストハウス(同)、西町やかかん(上野西町)、サンピア伊賀(西明寺)などで販売している。
平木社長は「芭蕉や忍者に代表される伊賀の文化を、菓子作りを通じて発信していきたい」と話している。
問い合わせは同社(0595・21・0981)まで。
2023年3月11日付839号6面から
- Advertisement -