【昨年の大会で「素謡」を披露する皆さん(提供写真)】

 観阿弥創座の地といわれる三重県名張市で、1987年から能楽の普及を図っている名張能楽振興会が2月5日午後1時から同4時15分まで、同市桔梗が丘6番町の桔梗が丘市民センターで「第36回新春謡曲仕舞大会」を開く。大会の模様はライブ配信される。入場無料。

大会ポスター手にPRする尾本会長

 同会に所属している「邦謡会」「桔謡会」「名張幽風会」の3団体24人に加え、「名張こども能楽囃子教室」の生徒5人が協賛出演する。

 大会では会員による素謡3番、仕舞10番、名張幽風会の北川裕之名張市長による独吟「四海波」、名張こども能楽囃子教室による笛連管、太鼓と笛の合奏などが披露される。

 更に後継者の育成を目的に開講している「能楽師による謡と仕舞教室(名張幽風会)」の受講生13人も出演。講師で能楽師の片山伸吾さん、応援の田茂井廣道さんが地謡の他、番外仕舞「富士太鼓」などを舞う。

 当日は初心者のために解説資料も配布。入場者には同センター内喫茶室の飲み物券をプレゼントする。

 今回初の試みとして、衛星インターネットを利用してライブ配信する。文化芸術の継承・発展を図るために文化庁が推進しているデジタル戦略の一環で、同市内のライブ配信業者の協力により6Kカメラ4台を駆使して配信されるという。

 振興会の尾本頼彦会長は「会員の高齢化により伝統文化の継承が困難になっているなか、ライブ配信を通じて多くの方に鑑賞いただき能に興味を持ってほしい」と話している。

 ライブ配信はLine公式アカウント(https://lin.ee/3yV5wVO)から。

 問い合わせは尾本会長(090・6467・5120)まで。

2023年1月28日付836号17面から

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