三重県伊賀市は第三者組織「行政事務事業評価審査委員会」(小林慶太郎・四日市大教授、委員10人)に諮問した事務事業評価の結果を市議会に報告した。今年度のテーマは各種団体などへの「補助金等の見直し」で、対象の25事業のうち6事業を廃止、または廃止のうえで必要な目的を再検討すべきとした。今後の対応について、市は「目安がある事業はその期限で、他は3年以内に見直す」としている。

 同市の補助金事業は全体で約160あるが、今回の対象は市側で選んだ。事務事業評価ではまず、市の行政経営アドバイザーを務める滋賀大の横山幸司教授や弁護士ら4人の専門家チームが各事業の担当部署に聞き取りなどを実施。意見や助言を岡本栄市長に報告した後、各部局での対応方針を加えて同審査委に諮問した。

 「廃止」を含めた審査結果の6事業は▼市母子寡婦福祉会補助金(2021年度実績50・5万円)▼遺族会補助金(127・3万円)▼まちづくり協議会活動助成金(9・7万円)▼認定農業者協議会活動助成金(0円※20年度は16・8万円)▼勤労者福祉事業補助金(31・6万円)▼市スポーツ協会運営補助金(330・5万円)で、別事業や直営、その他手法の検討を求めた。審査結果が「改善のうえ抑制」だった伊賀フットボールクラブ運営助成金(450万円)は規模縮小が必要と判断。委員から「シビックプライドにつながっている事業なのか検証し、市全体で支えていく取り組みが必要」などの意見があった。

「市職員の会計事務改めるべき」 専門家チーム 是正促す

 答申書の提出は昨年12月で、同審査委は市の各事務担当課に対しても「補助金、交付金、助成金の違いについて認識ができていないので、その使途が適切に管理できていないと考えられる」と指摘。専門家チームもヒアリングの報告書の中で、補助金などを交付している団体の事務局事務を市職員が担っていることに「自立した運営が求められることから望ましくない」、更に「不正防止の観点から特に会計事務を市職員が担うことは改めるべき」と是正を促した。

2023年1月28日付836号23面から

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