【三重県警名張署庁舎=名張市蔵持町芝出】

 三重県警名張署は10月26日、名張市の70代女性が携帯電話への着信を発端としたやりとりから、現金約600万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。同署が特殊詐欺事件として捜査している。

 発表によると、10月初旬、女性の携帯電話に知らない携帯電話番号から何度か着信があった。折り返したところ、政府の全国日本保護センター保護協会のヤマシタを名乗る男から「あなたの携帯がウイルスに乗っ取られて使われ、2000万円の被害が出ている。指示通りにすれば被害はこれ以上出ない」などと言われ、4日に被害防止金名目で市内の金融機関のATMから、相手が指定した口座に現金10万円を入金した。

 その後も「再び被害が出た」などと現金を求められ、25日までの間に1回当たり1万円から49万円、8つの指定口座に計43回にわたって入金し、現金合計約600万円をだまし取られた。

 25日、女性が現金を振り込んだ金融機関から、相手の口座が凍結されたとの連絡があり、事件が発覚。女性は夫と2人暮らしだが、誰にも相談せずに入金を繰り返していた。

 同署管内では今年1月以降、特殊詐欺が今回を含め計7件発生。被害総額は計約2410万円に上る。

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