【日本工芸会会長賞に選ばれた松山さん=名張市役所で】

 全国規模の公募展「第69回日本伝統工芸展」(日本工芸会など主催)で、三重県名張市桔梗が丘3番町の伊賀組みひも作家、松山好成さん(76)が日本工芸会会長賞に選ばれた。

 同市出身で、父親も組みひも職人。20代半ばで家業に入り、50歳近くから代表的な公募展への出展を始めた。同時期に伝統工芸士にも認定された。日本伝統工芸展へは1996年に初入選し、以来20回以上の入選を重ねてきた。

 受賞作の「唐組帯締『潮騒』」は、長さ158センチ、幅1・9センチ。自作の唐組台で、糸巻128個を使って組み上げた。濃い紺色のグラデーションの変化が特徴の作品で、1日に6から8時間、150日以上かけて完成させたという。

 9月5日に北川裕之市長を表敬訪問した松山さんは「すごい作品がたくさんある中、賞を頂けて本当にうれしい」と語った。今後は更に長い制作期間が必要な大作に取り掛かるという。

 同展は14日に東京で開幕後、全国巡回する。

- Advertisement -