三重県伊賀市治田の畑で、国内では咲くのが珍しいとされるサトイモが4年続けて開花する‟珍事”があった。この畑でさまざまな野菜を育てている奈良市月ヶ瀬尾山の猪飼康紘さん(78)は「今年もまた咲くとは」と不思議そうに花を眺めている。
2001年に大阪から移住した猪飼さんは、自宅で食べる以外にも、妻と営む民泊で提供する野菜を多数栽培している。サトイモは2019年に十数年ぶりに開花し、20、21年も複数開花。今年は一部の株をイノシシに荒らされたものの、十数株が育っている。
8月下旬、このうちの1株の中央に伸びた花芽から、花びらやがくのように見える黄色の仏炎苞(ぶつえんほう)が広がって垂れ下がっているのが確認された。9月5日には2つ目が見頃となり、既に伸びた花芽が脇に控えている。猪飼さんによれば、更にもう1本が控えているそうだ。
サトイモは熱帯地方が原産で、高温多湿などの条件がそろった時にしか開花しないと言われているが、4年続けて花を間近で見た猪飼さんは「育てているからには、花が咲くとうれしいもの。また来年も、と思っている」と話した。例年通りであれば、10月中旬に芋を収穫する予定だという。
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