光沢のある羽でチョウのようにヒラヒラと飛び回る姿が他種と一線を画す「チョウトンボ」。8月上旬、三重県伊賀市山出の集落内にある池でその姿が見られた。
同所にある周囲数十メートルほどの天童寺池下池はこの時期、水面の大部分を水草が占め、シオカラトンボなど数種類のトンボが飛来している。付近の住民は「トンボがたくさん飛んでいるとは思っていたけど、これだけ色も飛び方も違う」とチョウトンボを眺めていた。
浅名正昌さん(伊賀市緑ケ丘西町)がまとめた「伊賀盆地のトンボ」(2012年)などによれば、本州や四国・九州に広く生息し、挺水植物(アシやガマなど水底から生えて葉・茎が水面に出ている植物)が繁茂した池沼を好む。「チョウトンボ」という和名は江戸時代から使われてきたとされる。
2022年8月27日付826号1面から
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