【感謝状を手にする若山支店長(中央)ら=名張市蔵持町芝出で】

 三重県警名張署は8月10日、特殊詐欺被害を未然に防止したとして、百五銀行桔梗が丘支店(名張市桔梗が丘1番町)に感謝状を贈った。

 同署によると、7月22日午後3時30分ごろ、60代女性が同支店を訪れ、ATMコーナーからインターフォンで「市役所から介護保険料の過払い金があるのでATMへ行くように連絡があった」などと問い合わせた。対応した行員が事情を聞き、特殊詐欺被害に遭っていると判断。責任者を通じて警察に通報した。

 女性宅には同日午前11時10分ごろ、市役所保健課を名乗る男から「介護保険料の過払い金が3万円ある」などと電話があった。取引先金融機関を伝えると、次に百五銀行サポートセンターを名乗る男から電話があり「窓口はコロナの関係で閉鎖しているが、手続きはスーパーのATMなどでできる。着いたら電話を」などと言われた。女性は自宅近くのスーパーを訪れたが、教えられた番号に掛けてもつながらず、他の客もいたため、操作方法を確認しようと同支店を訪れていたという。

 贈呈式には若山隆功支店長(50)が出席。今村悟署長から感謝状を受け取った若山支店長は「金融機関は最後の砦。スタッフには特殊詐欺事例の周知を図っており、今後も未然防止に努めてまいりたい」と話した。同支店は、2018年10月にも特殊詐欺被害の未然防止で感謝状を贈られている。

 同署管内の今年の特殊詐欺被害認知件数は、8月9日現在で5件(昨年同期比1件減)。被害総額は約1420万円(同約1012万円減)に上っている。5件のうち4件が架空請求詐欺、1件が融資保証金詐欺だった。

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