【藤井さん方の巣に戻るコシアカツバメの親鳥】

 “タワマン”に続き、ツバメの2世帯住宅!? 三重県名張市つつじが丘北のパート従業員、藤井かおりさん(59)宅の玄関先に、コシアカツバメが営巣している。毎年飛来しているが、今年は突然増築が行われ、出入口が2つ並んだ形になった。

 25年ほど前から玄関先にツバメが巣を作るようになり、毎年忘れずに“帰省”する。生き物が苦手だった藤井さんも、その様に愛情が芽生え、ツバメだけは特別な存在に。飛来する時期を心待ちするようになったという。

 5年ほど前、ひなの成長を見守っていた藤井さんが勤務先から帰宅すると、ヘビの仕業か、巣は無残にも壊されていた。大きなショックを受けたが、ツバメは次の年も舞い戻り、今度は少し位置を変えて営巣した。「涙が出るほどうれしかった」と当時を振り返る。

 今年は4月中旬に飛来し、元あった巣に寄り添うように新たな巣が作られた。2家族が子育てに励んでおり、親鳥が巣の中に入ると餌をもらうひなたちの可愛らしい声がこぼれてくる。藤井さんは「様子を毎日見守るのが楽しみ。元気に巣立ち、来年も戻って来てほしい」と願っていた。

2022年6月11日付821号8面から

- Advertisement -