【開花したコンニャクを観察する藤森さん】

 “舌”が地面からニョキニョキ!? 三重県伊賀市東湯舟の藤森弘之さん(61)方の畑で、赤紫色の棒状のコンニャクの花が9本開花した。奇妙な見た目から、英名で「デビルズタン(悪魔の舌)」とも呼ばれる。

 コンニャクはサトイモ科の多年草で、インドシナ半島原産。おでんやみそ田楽に用いる食品のコンニャクは、地下に形成される球茎(芋)を粉末にし、アルカリ性の凝固剤を加えてつくられている。

 花は長い棒状の器官と、それを囲む「仏炎苞(ぶつえんほう)」からなる。4年以上作付けされると開花するが、栽培畑では咲く前に芋を収穫するため、見る機会は少ないという。

 藤森さん方の花は、大きなものは高さ約1・5メートル。天に向かって口を開け、とがった舌を突き出しているように見える。魚が腐ったようなにおいを発し、周囲はハエが飛び回っていた。

 藤森さんの父親が、約10年前に畑にコンニャクを作付けしていた。2年ほど前に父親が亡くなり、その後は誰も収穫していなかったという。

 藤森さんは「過去に1度だけ父から自家製コンニャクを振る舞ってもらったが、畑に植えられていたことを忘れていた。しらたきは好きだが、花はちょっと気持ち悪い」と苦笑いしていた。

2022年5月28日付820号4面から

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