【秋本天産物の圃(ほ)場で収穫された「伊賀の芭蕉ねぎ」=伊賀市槙山で】

農家・生産面積とも年々増

 盆地特有の寒暖差を生かし育てた「伊賀の芭蕉ねぎ」が収穫のピークを迎えた。甘みやトロッとした食感が特徴のこの白ネギは2020年9月に商標登録され、昨年11月には地元のJAいがふるさとに「芭蕉ねぎ部会」が立ち上がった。新たな特産品としてブランド化を目指しており、生産農家の数や生産面積も年々増えている。

選果作業をこなすNPO法人「えん」のスタッフと利用者=同市予野で

 高齢化や後継者不足で農地が荒れていくのを防ごうと、農業用培養土の生産、販売を手掛ける「秋本天産物」(三重県伊賀市槙山)が、18年にJAに相談を持ち掛けたのが取り組みのきっかけ。翌年から本格的に作付けを開始した。

 「伊賀の芭蕉ねぎ」は、5月の定植から半年以上かけて育てており、ネギの白い部分が30センチ以上、太さ1・5センチ以上という独自の規格を設けている。今年は名張市の1人を含む部会員25人が計約4万7千平方メートルで約45トンの収穫を予定する。

 農家で収穫された白ネギは農福連携事業の一環として自立支援施設を運営するNPO法人「えん」(伊賀市長田)に選別調整の作業を委託している。場所は同市予野にあるJAの施設を使っており、根葉切りから皮むき、選別、検品、袋詰め、梱包の作業を利用者とスタッフでこなす。

 集荷と出荷はJAが担い、収穫は2月まで続くそうだ。JAの直売所「とれたて市ひぞっこ」(同平野西町)では2本入り税込み220円で販売し、市内外のスーパーなどでも取り扱っている。

2022年1月15日付811号7面から

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