【立て掛けたササの束を固定する作業=名張市美旗町池の台東で】

保存会「昔からあるもの残せたら」

 正月飾りや書初めなどを燃やし新年の無事や健康を願う「どんど焼き」は、三重県の伊賀地域各地で行われている。住宅地の創成期から四半世紀が経つ名張市美旗町池の台でも、住民有志らによる保存会を中心に、ササや竹を組み上げて高さ5メートルのどんどを作り、「どんど祭り」を続けている。今年も1月15日に火が入る予定だ。

安部雅美さんが描いた高さ約2メートルの看板

 池の台でどんど焼きが行われているのは、350年以上続く伝統行事がすぐそばにあるからだ。隣の美旗中村地区では、稲わらや竹を使って高さ約15メートルの円錐形のどんどを組み、盛大に焼き上げる伝統行事が続いていて、当時の地区役員らが美旗中村を手本にして始めたという。

 農業に携わる家の多い美旗中村では調達しやすい稲わらが池の台では入手しづらいため、住宅地周りに生えるササを使う。安全面に配慮し、高さは5メートルほどで、広い空き地(幼稚園幼稚)の池のそばに立てる。初期からどんど作りの中心だった住民の一人が昨年亡くなったが、皆で作れるよう保存会で設計図を共有している。

 昨年は新型コロナの影響で中止となったが、今年は25回目の節目。趣味で絵を描いている住民の安部雅美さんが描いた高さ約2メートルの看板も加わり、皆が2年ぶりの新年行事を心待ちにしている。今年も1月8日にササを刈り、9日にどんどを組み上げた。

 定年退職した10年ほど前、地元でどんどが行われていると知り、「日本で昔からあるものを、この土地で何か一つでも残していけたら」と思い保存会の活動に参加している北畑強士さん(71)は「オール池の台で、今年も1年頑張ろうと思える日にしたい」と思いを語った。