【12年かけて作った干支のヒョウタンに囲まれる福森さん=伊賀市で】

 さまざまな大きさ、形、色彩のヒョウタンに囲まれた三重県伊賀市新堂の「瓢蜂まちかど博物館」館長の福森弘二さん(74)。手に持つのは干支(えと)「寅」を描いたもので、長さ30センチほどのヒョウタンを金色に塗装し、油性ペンで可愛く描いた。

 12年前から年に1つずつ制作した干支の作品が、2022年で一巡する。「その年の天候によって収穫するのは、長さが80センチから30センチほどまで、太いものから細長いもの、変形したものまで多様。それぞれの特長を生かして仕上げていく面白さは、教員時代の人づくりに共通している」と話す。

 ヒョウタンとの出会いは滋賀県の小学校教員だった時、理科の授業で招いた地域の農家から児童とともにヒョウタン作りを学んだこと。興味を持ったが、仕事で忙しかったこともあり、本格的に始めたのは退職後の63歳の時だ。地元公民館の「伊賀ひょうたんサークル」に入り、仲間と栽培方法や表面に加工する技法を勉強した。

 テーマを「干支」に決め、当初は図鑑の動物の絵を切り抜いて貼るところから始めた。次は自分でデッサンした動物の切り絵を貼り、塗料を吹き付けてからはがす技法で制作。表面を彫刻刀で透かし彫りにしたり、焼きごてを使い周囲を焦がしながら立体的に仕上げる手法を使うなど、年々腕も上達しているという。

 「12年の間には、天候不順で加工できるヒョウタンが収穫できない年もあった。干支が一巡する今年は、その年の分もまとめて作ったので、全ての干支がそろった」と喜ぶ。

 これまでに手掛けた作品は約130個にもなり、今では置き場所に困るほど。「更に干支の作品が一巡できるよう作り続けたい」と笑顔で話した。

作品展

 同博物館では1月10日から20日の期間中、午前10時から午後3時まで「干支の作品展」を開催する。入場無料だが、事前予約が必要。 

 問い合わせは福森さん(090・4865・4916)まで。

2021年12月25日付810号2面から