【生徒たちが手拍子するなか、歌声を披露する大野さん=名張市丸之内で】

 三重県名張市丸之内の市立名張中学校(中森早苗校長)で12月21日、「歌う道徳講師」と呼ばれるシンガーソングライターの大野靖之さん(39)によるライブ形式の特別授業があった。

 千葉県出身の大野さんは、命や夢、家族などをテーマに楽曲を手掛け、2005年にメジャーデビュー。全国の学校でライブ活動を展開しており、今回で1048回になるという。同中で使用している道徳の教科書でも、大野さんの曲の歌詞などが紹介されている。

 同中では3年に1回、PTA主催で外部講師を招いて人権講演会を開催している。今回の講師を探す中、役員から大野さんを勧める声が上がり、招くことになった。この日は、新型コロナウイルス対策でライブは2回実施し、全校生徒444人が約半分ずつ体育館に集まった。

 大野さんは、ピアノやギターの演奏とともに歌声を披露。「ともだち」という曲では「夢を語るのは恥ずかしいことじゃない」と歌い、曲の合間には「夢とは、未来を想像してわくわくして先に進むこと。暗い気持ちになったり、絶望したりするのは夢じゃない。頑張るだけが夢じゃない」などと生徒たちに語りかけた。

 音楽を始めたきっかけや過去の学校訪問での笑い話などを紹介した他、高校3年の時に母親を病気で亡くしたことにも触れ、母親を思って作った曲も披露。最後はコロナ禍でも頑張る人に向けた応援歌「ayame」を歌い、「どうか負けないでほしいんだ」「君の未来は大丈夫だよ」とメッセージを送った。生徒らは、大野さんの澄み切った歌声に聞き入り、涙ぐむ様子の生徒もいた。

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