警務官 前川武司

 突然、予期していない事件・事故に巻き込まれた被害者やその家族の方の精神状態は想像を絶するものです。

 被害者らの中には例えば、精神面で「自分が自分でないと感じる」「記憶力、判断力が低下する」「感覚・感情が麻痺する」といった影響があったり、身体面では「めまい・過呼吸・動悸」「不眠、悪夢」「吐き気・食欲不振」などの症状が現れたりする方もみえます。

 たとえ犯人が検挙されても、残念ながら精神的負担などがすぐに無くなるものではありません。

 警察では、民間の団体である「公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター」と連携して▼捜査状況などの情報提供▼安全確保のための防犯指導▼被害者などの要望に応じたカウンセリング、など被害者らの精神的な被害の回復に向けた活動をしています。

 また、犯罪被害者らの経済的負担を軽減するために、殺人などで不慮の死を遂げた被害者の遺族、重傷病もしくは障害を負った被害者の方らに対して、一定の給付金を支給する「犯罪被害者給付制度」を運用しています。

 犯罪はいつどこで誰に起きるか分かりません。社会全体で犯罪被害者を支えていきましょう。

2021年11月20日付808号22面から

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