【奉納演武の様子=伊賀市荒木の須智荒木神社で】

 江戸初期に名をはせた新陰流の剣豪・荒木又右衛門の出身地とされる三重県伊賀市荒木の須智荒木神社(溝脇操宮司)で11月23日、新陰流兵法の剣術を伝承・調査研究する伊賀地域の団体「碧燕会」のメンバーが初めて演武を奉納した。

 新陰流は、文武両道に優れ「剣聖」とも呼ばれた戦国時代の兵法家・上泉伊勢守信綱が創始し、代々受け継がれてきた流派。日本三大仇討ちの一つ「鍵屋の辻の決闘」に臨む際、又右衛門は同神社に刀を奉納して仇討ちの成就を願ったと伝わり、先代宮司と縁のあった同会が奉納演武をすることになった。

荒木の国道163号脇にある「荒木又右衛門誕生之地」の石碑

 この日は午前11時からの新穀感謝祭(新嘗祭)の後、境内で横田正和代表(48)と会員が形を披露し、神事に参列した地元関係者ら約30人が神妙な面持ちで見守った。総代会長の東明博さん(73)は「地元として又右衛門を顕彰する行事などはできていないが、今後も交流を続け、この地で生まれた剣豪のことを調べ直してみたい」と話した。

 奉納演武を終えた横田代表は「11月は仇討ち成就の月でもあるので、初めてこの地で演武ができてうれしく思う。これをきっかけに、地元の方々とともに又右衛門の顕彰を続けていきたい」と思いを話した。