【ダンススクールで練習に励む向原さん=伊賀市上野福居町で】

「若者に負けじ」「もっとうまく」

 親子以上に歳の離れた若い女性たちと一緒に、地元女子サッカーチームの試合で激しいダンスを披露する、名張市長瀬の会社員、向原紀博さん(56)。9月には初孫が誕生する予定だが、年齢を感じさせないアクロバティックなブレイクダンスで会場を盛り上げている。

向原さん

 20代のころにディスコへ通ったことはあったが、その後はダンスとは無縁の生活を送ってきた。30代で腰痛を患い、40代では椎間板ヘルニアの手術を経験。一時は数メートルの距離の歩行も困難だったという。

腰痛再発防止に

 その後、症状は改善に向かい、再発防止のため医師から運動を勧められた。そこで、行きつけの美容室で誘われたダンスチームに参加。40代以上の男性10人ほどでつくるヒップホップ系の“オヤジ”チームで、仲間とレッスンを重ねては地域のイベントで演技を披露してきた。

 「もっとダンスがうまくなりたい」と考え、知人の紹介で、伊賀地域を中心に活動する「FGPダンススクール」の練習にも参加するようになった。約50人のメンバーの9割以上が10代以下の女性で、これまでとは比較にならない運動量が求められた。

 「体がついていかない」と感じながらも、「若者に負けじ」と必死に練習を重ね、ハードな動きを次々に習得。やがてメンバーからは「とっちゃん」のニックネームで親しまれるようになった。3年ほど前からは、より動きの激しいブレイクダンスに本格的に挑戦。素早い足さばきや倒立などの大技も身に着けていった。

くノ一の試合でも

 同スクールは、女子サッカー・なでしこリーグ1部の伊賀FCくノ一三重のチアダンスチーム「BLAST(ブラスト)」のメンバーを輩出している。上達著しい向原さんも、今春から試合で一緒にダンスを披露することになった。観客を盛り上げるムードメーカーの役割を担い、異色の存在感を放つ。「若者からパワーをもらい、どんな動きもしんどくない。心の底からダンスが楽しく、生きがいになっている」と話した。

伊賀FCくノ一三重の試合でダンスをする向原さん(提供写真)

2021年9月11日付803号2面から