【発掘調査の現場を見学する薦原小児童ら=名張市薦生で】

 三重県名張市薦生の県道上笠間八幡名張線の改良工事に伴い5月から県埋蔵文化財センターが約1400平方メートルにわたって発掘調査を進めている「薦生遺跡」を、市立薦原小の3年生22人が7月12日に見学した。作業が進む現場で、センター職員から遺構や出土品などの説明を受けた。

 同センターによると、薦生遺跡は名張川左岸の段丘上にあり、平安時代中期、10世紀半ばの東大寺と藤原氏らの所領争いに関する文献中に「薦生牧(まき)」として名前が見られる。牧とは牛馬を育てる牧場で、周りを川と丘陵に囲まれた地形は、家畜飼育の適地だったという。これまでの調査では、掘立柱建物の柱穴や井戸・水路の跡とみられる遺構、平安時代から江戸時代の土器や陶器の破片などが見つかっている。

 今回の見学は、郷土学習「なばり学」の一環で実施。児童らは発掘中の区画に入り、センター職員の櫻井拓馬さんと佐藤嘉晃さんから「昔の人がどんな暮らしをしていたのか調べています」「土の色が黒く変わっている場所が、人の手が加わっている所なので、手作業で掘り下げていきます」など説明を受けた。

 児童たちは「恐竜の化石はあった?」と質問したり、作業員が慎重に穴を掘る様子を眺めたりしていた。出土した陶器の破片を手に取り、興味深そうに見つめていた武田誠大君(9)は「どんなものが見つかるか、前から気になってた。手作業で掘っていてすごいと思った。勉強になった」と話していた。

 調査は8月末まで続く予定。