【オンラインで開かれたシンポジウムの様子=名張市役所で】

 三重県名張市の「まちづくり組織」や「まちの保健室」などについて研究していた大阪市立大学院都市経営研究科都市行政コースの社会人学生らが6月22日、オンラインで公開シンポジウムを開き、成果を発表した。亀井利克名張市長や駒村康平慶応大経済学部教授らも参加し意見を交わした。

意見を交わす(上から)大塚さん、駒村教授、亀井市長=同

 同研究科の五石敬路准教授と同コースの院生たちは昨年11月、同市を訪問し、まちの保健室や市民センターなどを巡って現地視察した。その後、リモート会議などで約30回にわたって話し合いを重ね、研究成果をまとめた。

 この日は11人の院生を代表し、大塚文彦さんが「名張市の先進施策に関する調査報告」として発表。まちづくり組織については「市内15地域の住民組織に一括して予算が下りるため、住民が事業の集中と選択を自ら考え実行できる。地域全体の連携がとりやすい」などと評価。一方で、「少子高齢化に伴う人口減少で地域によっては活動が難しくなるのでは」と担い手不足への懸念を示し、高校生など若者の受け入れや転入者への啓発などを提案した。

 各地区単位で住民のさまざまな相談に応じるまちの保健室については、「地域に根差した行政サービス」「ヤングケアラーなど新しい課題にも最前線で対応できるのでは」と述べた。一方で、「相談を続けるため、次世代の担い手が必要」と指摘し、市立看護専門学校との連携や雇用条件・環境整備などを提案した。

 駒村教授は発表を受け「まちの保健室の仕組みは全国に先駆けたもので、非常によくできている。担い手の能力向上が大事」と述べ、亀井市長は「市政運営の参考にしたい。孤独孤立などコロナ禍で顕在化した問題も含め、政府にも提言して頂けたら」と話していた。