【感謝状を手にする広野さん=名張市鴻之台1で】

 三重県名張市は5月31日、がんや難病の患者と家族の悩みに応じる「がん・難病患者相談」が創設から15年を経たのを受け、当初から相談員を務める広野光子さん(80)=富貴ケ丘1=に感謝状を贈った。

 広野さんは、自身も50代で乳がんと卵巣がんの闘病を経験。1995年にはがんや難病患者らの全国組織「がんを前向きに語る・金つなぎの会」を設立し、代表を務めている。

 同市のがん・難病患者相談は2005年11月に創設し、広野さんを相談員に委嘱。相談窓口は市勤労者福祉会館(夏見)1階の小会議室で、毎月第3土曜の午後1時から同4時まで開かれている。これまでに延べ約500人を超える人から相談を受けた他、医師や専門家を招いた講演会「名張で学ぶがん医療」を10年からほぼ毎年開いている。

 この日は市役所で贈呈式があり、亀井利克市長が感謝状を手渡した。広野さんは「『あなたの悩みは私の悩み』という気持ちで続けてきた。特にがんは転移と再発を繰り返し、悩みを一生抱えていく。老化とともに悩みは増えるが、コロナ禍では外出できない高齢者の精神面への影響が案じられる」と語る。「相談室には支えてくれる仲間がたくさんいて、ニーズがあれば応えていく。皆が笑顔で暮らしていけるよう、支えていきたい」と今後の展望を話した。

 相談窓口の専用電話は(0595・63・5515=開設時間帯のみ)。

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