【名張市の地域おこし協力隊に着任した(右から)長谷川幸太朗さん、三浦さん、長谷川未紗さん、高山さん=名張市鴻之台1で】

 三重県名張市に「地域おこし協力隊」が初めて着任した。市役所で4月1日、着任式があり、亀井利克市長が協力隊員4人に委嘱状を交付した。4人とも県外出身で、これまでの多彩な経験を生かし、地域の魅力の掘り起こしや発信などに取り組む。任期は最長3年間。

 地域おこし協力隊は、都市部から地方に移り住んで地域活性化に取り組む国の制度。着任したのは、長谷川幸太朗さん(33)=山口県出身=、未紗さん(32)=福岡県出身=夫妻、三浦広宣さん(39)=同=、高山智子さん(37)=東京都出身=で、11人の応募者の中から選ばれた。

 東京都から夫婦で応募し採用された長谷川さん夫妻は、地方移住を考えるなかで子育て環境や交通アクセスなどが良い名張市を選択。5歳の長男と3歳の次男を連れて移住することにした。夫の幸太朗さんは、歴史的な町並みが残る名張地域を担当する。アニメグッズを企画制作する会社でショップ店長を務め、イベントや商品企画に携わった経験を生かし、「まちなか活性化」に取り組む。「地域のコンテンツを生かし、イベント誘致などもできれば」と語った。
 
 妻の未紗さんは、薦原地域を担当する。中学校の理科教員を務めた経験から、「子ども」や「自然」をテーマに、学校や地域を巻き込んでの情報発信に挑む。「『学校林』を生かした教育的な活動もしていきたい」と話した。
 
 桑名市から来た三浦さんは、赤目地域を担当する。学習塾講師やセミナー主催の経験を生かし、地域の新たな価値創出を模索する。「子どもと親が共に成長できるコミュニティづくりをしたい」と語った。

 東京都から来た高山さんは、市全域のプロモーションを担当する。海外留学などで芸術を学び、現代アート作家として活動する傍ら、ネットショップ運営などもしてきた。ネットに限らずさまざまな媒体を活用し、魅力PRに取り組む。「歴史や文化を学びながら、住民の皆さんと一緒になって情報発信をしていきたい」と話していた。

 着任式に出席した各地域の代表者は「違う地域から来た視点で、指摘して頂けたら」「閉塞感を破るような活動をお願いしたい」など期待していた。

 市は2019年2月と6月にも協力隊を募集したが、着任には至らなかった。昨年12月に3回目の募集を実施し、オンライン説明会を開くなど方法を工夫した。

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