【新型コロナワクチン接種を受ける田中院長=伊賀市四十九町で】

 医療従事者に対する新型コロナウイルスワクチンの優先接種が3月8日、三重県の伊賀地域で始まった。この日は伊賀市立上野総合市民病院(四十九町)に米ファイザー製ワクチンの瓶24本が到着。医師や看護師、薬剤師ら78人が接種を受け、大きな副反応は見られなかった。

 ワクチンは6日に国から県に6箱(1箱195本入り)が届き、三重大医学部付属病院(津市)、伊勢赤十字病院(伊勢市)、市立四日市病院(四日市市)、桑名市総合医療センター(桑名市)、松阪中央総合病院(松阪市)、尾鷲総合病院(尾鷲市)に1箱ずつ配分。松阪中央総合病院に到着した分の一部が解凍され、上野総合市民病院に運ばれた。

 同病院では、別棟の市健診センター内に医療従事者向け接種会場が設けられた。対象者は体調などの問診を受けた後、接種を受ける部屋に入り、接種後は15分ほど待機して副反応が出ないかなどを確認した。

 最初に接種を受けた田中光司院長(52)は「インフルエンザワクチンに比べて痛みはなかった。医療従事者から始めるのは、院内感染を防止して地域医療を守ろうというメッセージだと受け止めている。対策をしながら、医療体制をしっかりと維持していきたい」と語った。

 同病院では、瓶1本から6回分の薬液を取れる注射器を一定数保有していたため一部で活用。ワクチンは10日にも36本届く予定で、12日までの5日間で計321人が1回目の接種を受ける。

 県によると、優先接種対象の医療従事者は約5万8000人。うち伊賀地域は約4700人。

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