「わくわくして生きるきっかけに」

 ヨガインストラクターとセラピストで活動する伊賀市陽光台の石橋ゆかりさん(37)=写真=が病と闘いながらも前向きに生きていく半生をまとめた書籍「カラダとココロを柔らかく」を自費出版した。

 美容師として働き、楽しかった反面、肉体的にも精神的にも張り詰めていた。「限界だった」という28歳の時にバセドウ病を発症し、更に3年後、不調を感じ、胸を触った違和感から、訪れた病院で乳ガンとの診断を受けた。死を意識した瞬間だった。

 リンパへの転移も認められ、両親や兄たちと号泣した。そんななか、父が掛けてくれた「何も心配することはない」と言葉は今も忘れられないという。

 治療や不安の乗り越え方など、相談する人が身近にはおらず、本やブログなどで内面のことや生き方についての文章をよく読むようになり、「元気をもらえた」。「治療を続けながらも普段の生活を続ける自分にしか分からないことをまとめたい」と思っていたところ、昨秋、知人を介して書籍化の話があったという。

 書籍はB6サイズ87ページで1000円(税別)。病気になり、体と心を柔らかくすることの重要さに気づき、ヨガインストラクターの資格を取得して活動していく様子や、2年前に結婚したことなど、「読んだ方がわくわくして生きていくきっかけになれば」との思いを込めたという。

 書籍販売に先駆け、今年1月末にUTSUWA出版(鈴鹿市)から電子書籍として販売を始めたところ瞬く間に評判に。7月に同出版社から自費出版し、伊賀地域のブックスアルデ本店、岡森書店白鳳店で販売している。

 作品のなかで「お母さんになるのが夢」と書いていた石橋さんは今夏、母になった。「娘がいずれ、この本を読む日がくるかな」とほほ笑んだ。

2020年12月12日付785号3面から