「少しでも近付けたら」

 名張市つつじが丘北2番町の髙谷敏之さん(87)の個展「水彩模写展」が、11月17日から23日まで、同市新町の旧細川邸やなせ宿で開かれる。日本中を旅しながら美しい風景を描いた水彩画家、青山政吉(1920‐94)の画集を模写した十数点が並ぶ。入場無料。【出展作品と青山氏の写真を手にする髙谷さん=名張市南町で】

 髙谷さんは定年まで大阪の額縁製造販売会社に勤務し、多くの画家と交流するなか、定年前に青山氏と知り合った。現地制作にこだわり、ありのままに景色を描くその画風に心を奪われた。

 15年ほど前から「青山先生のように描きたい」と本格的に筆を執るようになり、地元はもちろん各地へ出向いて絵を描いてきた。

 今年に入り、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、遠方への外出ははばかられたため、青山氏の画集を改めて手に取り、かつて描かれた日本全国の風景を描き写すことにしたという。

 「先生は葉の1枚1枚まで異なる形に描き、波の1本1本まで微妙に色を変化させていて、改めて偉大さを感じた。到底及ばないが、少しでも近付けたらという思いで描いた」とした上で、「コロナが落ち着き、再び太陽を背に受け、風を感じながら各地で絵を描きたい」と思いを語った。

 展示時間は午前10時(初日は午後1時)から午後4時(最終日は同1時)まで。

 問い合わせは髙谷さん(0595・68・3930)へ。

2020年11月7日付783号10面から

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