「えらいこっちゃ、草むらにどくろが投げ込まれている」。伊賀市蔵縄手の税理士、岡森正人さん(62)は、事務所敷地内にあるカツラの木の下で、白く大きな丸い物体を見つけた。【見つけたきのこを眺める岡森さん夫妻=伊賀市蔵縄手で】

 恐る恐る近付いてみると、どうも骨ではない。「もしかしたら古いバレーボールが飛んできたのかな」と棒で突いてみると、弾力があった。いじっているうちにパカッと割れ、スポンジ状の内部からは粉のようなものが噴き出した。

 この物体は、夏から秋に生えるハラタケ科のきのこ「オニフスベ」とみられる。フスベとは「こぶ」を意味する。7月上旬の発見後は、間もなくして姿を消したが、9月下旬から再び同じ場所に大小計6個が出現し、大きなものは直径約30センチにまで成長した。

 岡森さんは「60年以上この土地に居るが、こんな形のきのこは初めて見た」と驚きを語る。家族や従業員、近隣住民の間でも「ダチョウの卵みたい」「少し気味が悪い」「はんぺんみたいで、食べたら満腹になりそう」などと話題になった。

 三重大学大学院生物資源学研究科の白水貴助教によると、オニフスベは県内でも発生事例がよくあるという。「詳細については、実際に専門家が観察する必要がある。ただ、野生のきのこを無闇に食べるのはやめた方がいい」と注意を促した。

2020年10月10日付781号3面から