全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。伊賀保健所が管轄する伊賀・名張両市を始め、県内の感染者情報は三重県から日々発表されるが、伊賀地域に隣接する県内自治体や県境を接している他府県の自治体で感染者が確認されても情報が伝わりにくいことがある。

 伊賀地域と隣接自治体で7月1日から8月23日までに確認された感染者の発生状況をまとめた。

家族間でも広がり

 伊賀市では7月22日以降21人、名張市では16日以降7人の感染が確認されている。市内の実家に帰省した学生の感染、大阪や名古屋など都市部接点があった人の感染、家族間で感染が広がったケースなどが確認され、伊賀市では80、90代の高齢者の感染も確認された。

津、奈良、甲賀でクラスター

 伊賀市の北側に隣接する甲賀市では、7月下旬に専門学校でクラスター(感染者集団)が発生し、学生十数人が感染。8月上旬には介護関連事業所でのクラスターで利用者と職員合わせ二十数人が陽性と判定された。

 西側と県境を接する南山城村では感染者は出ていない。

 同じく西側と県境を接する奈良市は、7月10日に21例目の感染者が確認されて以降、95人の感染を確認。7月30日にオーナーの陽性が判明した市内の飲食店では、8月14日までに店員と客計7人の感染が確認されクラスターと認定された。伊賀市に近いエリアでは、日本郵政が7月20日に柳生郵便局(同市柳生町)に勤務する郵便局員の感染を発表した。

 伊賀市、名張市と奈良市に囲まれた山添村では、感染者は発表されていない。

 名張市西部と県境を接する宇陀市は、8月3、4日に計3人の感染が発表され、うち1人は市中央保健センター(同市室生大野)の職員だった。

 南部と県境を接する曽爾村では、感染者は発表されていない。

 伊賀地域の東側に隣接する津市では、8月に入り感染者が急増。これまでに60人が陽性となり、2つのクラスター事例が確認されている。市内にキャンパスや附属病院のある三重大学で、医学部の学生を中心にクラスターが発生し、教職員ら計24人が陽性になった他、市内の内科クリニックでもスタッフと受診者合わせ8人の感染が確認された。

 伊賀市北東部と接し、名阪国道やJR関西線などが通る亀山市では、8月に入り20代から40代の男女4人の陽性が判明。半数以上が自宅や職場などで陽性者と濃厚接触があった。

感染しない、させない

 新型コロナウイルスは目に見えないが、「感染しない、感染させない」ための心掛けが常に求められる。厚労省が無償配布している接触確認アプリ「COCOA」の導入や、自分自身の行動記録など、できる限りの備えを。

2020年8月29日付778号27面から

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