東京を拠点に声優など多彩な活動を続ける奧山敬人さん(30)=写真(提供)=は伊賀市出身。アニメやアプリゲームなどを連動させたメディアミックスプロジェクト作品への出演も決まり、活躍の場を広げている。

 地元の中学卒業後は、県外の高校に進学。ダンス部に所属してさまざまな大会に出場し、副部長も務めた。東京の大学では、体育の教員免許を取得した。アニメーターをしていた姉の助言で声優を目指し、2012年に芸能プロダクション主催の「第1回スタイルキューブ声優オーディション」に合格。研修生として所属し、声優の基礎を学んだ。

 「声を出して芝居をするのが恥ずかしかった」と当時を振り返って笑うが、「さまざまな感情を演じるうちに楽しくなってきた」。16年に放送された、刑務所を舞台にコミカルな日常を描くテレビアニメ「ナンバカ」ではメインキャラクターの一人を演じた。また、事務所の同期・筆村栄心さんと音楽ダンスユニット「BB‐voice」を結成し、18年にCDデビューを果たした。更に、ゲームなどのキャラクターの動きの基になるモーションアクターやダンスの振り付けも担当している。

 昨年、バンダイナムコアーツなど3社プロデュースによる作品「フットサルボーイズ!!!!!」の出演者オーディションに合格した。フットサルに青春を燃やす男子高校生たちの物語で、登場人物を演じる声優たちによる実際の試合結果が、アニメやアプリゲームに連動・反映されるという新しい試みだ。

 奧山さんが演じるのは、皇花山学園高等部のキャプテン「朝比奈碧」。スイーツ好きで子どもっぽい一面もあるが、キャプテンとして部を率い、小柄な体格からは想像もつかない、決定力がある重いシュートを放つという役柄をハイトーンボイスで演じる。

 通常のアニメの収録と違い、実際のフットサルの試合に向けて、合格後から同じチームの出演者たちと練習を開始。中学時代はバレー部だったが、持ち前の運動神経で、今はフットサルを楽しんでいる。現在、アニメ放送やアプリゲームのリリースに向けてプロジェクトも進行中だ。

 奧山さんにとって伊賀は「緑が多く、星も奇麗で、リフレッシュできる場所」。地元の子どもたちへ「若いうちはやりたいことに挑戦するのが良い」とエールを送り、「いずれ地元に凱旋し、何かできたら」と目を輝かせた。

2020年7月11日付775号2面から

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