藤堂藩の関係資料などの翻刻に携わる団体「伊賀古文献刊行会」(会長・谷口修一市教委教育長)が、江戸中期の藤堂藩士・岸勝明(1741‐1813)が伊賀地域の地名や寺社仏閣、産物などについてまとめた書物「伊賀考」(上中下巻)の翻刻版を刊行した。【刊行された「伊賀考」の翻刻本。手前は原本の上・中・下巻】

 同会の翻刻本は、前身となった1973年発足の「上野市古文献刊行会」時代から数えて22冊目。当初は「この人物を世に出したい」という思いから、著作集をまとめるつもりだったが、「全てをまとめきれないほどボリュームがあった」ため、約5年をかけて「伊賀考」の翻刻に力を入れてきたという。

 原本は岸家に受け継がれ、現在は伊山文庫の所蔵品。「伊賀風土記」「伊賀記」「伊賀史」などの郷土史を紹介し、神社や古墳、城郭の他、地名の表記や由来、なども盛り込んでいる。「古人考」には、伊賀市石川の出生と伝えられる石川五右衛門や、俳聖・松尾芭蕉についても触れている。

きめ細かい情報

 同会担当者は「各項目は短いながらもきめ細かい情報で、新たな発見もある。ぜひ手に取って」と話している。

 A5版296ページで300冊製作し、1冊3500円(税込み)。同市上野図書館、市内の書店で販売している。

 問い合わせは同図書館(0595・21・6868)まで。

巻頭グラビアページ

2020年6月13日付773号6面から