伊賀地域に生息するトンボの生態などを調査し、撮影して図鑑を出版したことで知られる、伊賀市緑ケ丘西町の元中学教員、浅名正昌さん(87)がこのほど、足しげく通う上野森林公園(同市下友生)などで撮影した昆虫の写真集「おいらは蟲(むし)」を3月に刊行し、このほど伊賀地域の幼稚園や小中学校、図書館に寄贈した。【オオカマキリの顔をアップで掲載したページを広げる浅名さん(左)、背中の模様がハート形のように見えるエサキモンキツノカメムシの写真(右)】

 退職後に伊賀地域でトンボの調査を本格的に始め、2012年に図鑑「伊賀盆地のトンボ」を刊行。そのなかで出会った数多くの昆虫の「生きざま」や「表情」に夢中になり、近年はライフワークとして同公園や友生地区などへ観察や撮影のため精力的に足を運んでいる。

 今回の写真集の表紙は、体長約1・5センチのシロコブゾウムシを正面から映した1枚。ハチやカマキリなどの迫力ある顔のアップを中心に、背中の模様がハート形のように見えるカメムシの一種、連なって飛ぶキトンボなど、昨夏までに撮影した写真を124ページにわたって紹介している。写真集のサイズは縦24センチ、横24・5センチ。

 「虫たちの表情は、意識して見ないと見えてこない。表情があるように見えるトンボやカマキリには特に興味がわく」と話す浅名さんは「昆虫の小さい体それぞれに心臓があって生きていて、飛んだり食べたり食べられたりする、そうしたドラマを『すごいなあ』と思って見つめてきた。まだまだ見たことのない虫もいる。虫たちと接してきて、こうして元気にいられるのかな」と語った。