「パパ小児科医(ぱぱしょー)」のペンネームで、医師と2児の父親という立場から、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」や画像共有アプリ「インスタグラム」などで子育て情報を発信する、伊賀市小田町の小児科医、加納友環さん(37)。「SNSを使う人たちにも、根拠のある情報を医療従事者から提供しなければ」との思いから続ける活動は、同市に診療の拠点を移した今、約10万人のフォロワーから注目されている。【サイトを更新する加納さん=伊賀市小田町で】

分かりやすく、検索しやすく

 大阪の大学病院で勤務していた2016年、情報収集のツールとして使い始めたツイッターで、母乳育児の投稿に目を止めた。「授乳中は乳腺が詰まる原因となるケーキやウナギを食べてはいけない」といった根拠の乏しい情報が飛び交っていた。

 「乳腺炎に食べ物が著しく影響することは無い」と指摘し、「小児科医に聞いてみたいことはありますか」と投稿。すると、子どもの湿疹や発熱などについての質問が次々に寄せられた。

加納さんのインスタグラムのページの一部分

 「医療で当たり前とされていることも、一般の人たちに知られていない現実がある。育児に悩み、SNSに頼る人の疑問に少しずつでも答えていこう」と活動を始めた。

 投稿内容は、日々の診療や自身の育児の中で「これは多くの人に伝えた方がいい」と感じ、メモをしたことが基となる。子どもの病気や健診、発達の悩みなど、蓄積されていった内容は2年前に開設した育児情報サイト「ぱぱしょー.com」で約100本の記事にまとめた。

 昨年から、受診に訪れる若い母親世代が多く利用するインスタグラムも開始。ツイッターでつながりのあった約20人の医師や薬剤師らとともに、正しい医療情報を検索しやすくするハッシュタグ「#インスタ医療団」を使い始め、活動は大きく広がりつつある。

 今月、出身地の津市に近い伊賀市内に開業した小児科医院「ゆめこどもクリニック伊賀」の院長に就任。「地域に根差した医院をつくり、伊賀で暮らす人たちがより元気に生活し続けられるよう役に立ちたい。情報を端的に分かりやすく伝えてきた経験を生かし、病気予防の啓発活動にも取り組みたい」と期待を込めた。

2019年12月7日付 761号 1面から