「公民館のような大きい施設を借りるより、もっと気軽にお年寄りが集まれる場所を」。伊賀市柏野の60、70代18人で構成するグループ「ボランティアきずな」は、地域の高齢者の生活を地元で支えていこうと、さまざまな活動に取り組んでいる。毎週水、金曜に開かれる「さろんとこや」がその一つだ。【「さろんとこや」に集まる参加者とボランティアの皆さん=伊賀市で】

 戦後ごろまでは理髪店で、その後雑貨店になっても「床屋」と呼ばれていた空き店舗を皆で大掃除し、無償で借り受けた。高齢者を招き、ボランティアと一緒におしゃべりをしたり、お茶を飲んだりして楽しい時間を過ごしている。理解を得た地域住民に年数百円程度負担してもらい、定期的に開くバザーの売り上げからも運営費を工面している。

 参加者の一人、木澤幸子さん(81)は「昔は人の家で遊んだりしていたが、時代が変わり、そういったことをしなくなった。気軽に集まって楽しく過ごせる場所ができてうれしい」と感謝の気持ちを明かす。中心となって同グループを運営する和田文子さんは「これからは皆でできる簡単な体操も採り入れ、健康面も考えていきたい」と笑顔で語った。

2019年7月27日付752号23面から

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