堅守復活 印象づけた1年

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今季連敗ゼロ 複数失点ゼロ

 女子サッカー・なでしこリーグ2部で14勝2敗2分の結果を残し、2季ぶりの1部復帰を決めた伊賀FCくノ一。今季はリーグ杯2部と国体の3冠も達成した。リーグ18試合では連敗も複数失点もなく、堅守復活を印象づけた。チームのチャレンジを振り返る。〈第2回〉【リーグ13節対愛媛FC戦で、決勝ゴールが決まった瞬間、喜びを爆発させるくノ一の選手たち=9月23日、甲賀市で】

最終ラインを統率 DF宮迫たまみ選手

 DF宮迫たまみ選手(28)は現メンバーで在籍期間が一番長く、大嶽直人監督(50)が前回指揮した2年目の2011年に移籍加入した。体を張ったシュートストップや1対1の強さが持ち味で、今季は攻撃的サッカーに変わったチームを後方から支えた。【後方からチームメートに指示する宮迫選手(左下写真)】

 レギュラーに定着したのは加入した年のシーズン後半。その後は、戦術的理由で試合終了直前のアディショナルタイムにフォワードの選手と交代した1試合を除く115試合にフル出場していたが、昨季途中からプレー機会が半減。チームは最下位で2部に降格した。

 「ピッチの外から見ているだけで、何もできなかった」。今季にかける気持ちは人一倍強かった。全試合フル出場し、これまでの経験を生かしてリーダーシップを発揮、最終ラインを統率した。試合中にミスした若手には「気持ちが切り替えられないようなときはコミュニケーションを取って雰囲気を良くしたり、盛り上げたりしようを心掛けた」と振り返る。

 チームメイトやスタッフの信頼も厚い。センターバックでコンビを組むDF畑中美友香選手(22)は「絶対的な存在で、助けてもらってばかり。学ぶことも多い」。

 現役引退までの3年間、くノ一で一緒にプレーし、現在は下部組織サテライトの小野鈴香監督(36)は「黙々とプレーするタイプだったが、今季は積極的にコーチングし、周りをうまく動かしていた。今のパフォーマンスなら1部でも十分にやれる」と評価。来季の活躍も期待する。

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