池坊華道を習う高校生が腕前や発想力などを競う「ikenobo花の甲子園」近畿地区大会で、名張高校(名張市東町)華道部の2年生チーム「東雲組」が2位に入賞した。念願の全国大会初出場は逃したが、「う」をテーマに、伊賀くみひもを使って夢などを表現した。【作品を披露する(左から)岡室さん、石田さん、杉田さん=京都市南区で(提供写真)】

 45分の生け込み時間で、岡室沙羅さんは、輪にしたレッドウィローの赤い枝で地球や世界平和を、放射状に生けた枝でくみひもの高台を表現。看護師を目指す石田愛結さんは、ミニチュア花器に生けたキキョウとあしらい花で「誰かを支えたい」という思いを、杉田香乃さんは、グロリオサやカエデの枝ぶりを生かし、自分の理想に向かって高く伸びゆく姿を表した。

 県内で開催中の高校総体にもミサンガとして提供したくみひもを、自分たちで実際に組み、願いがかなうという「叶結び」にして花器のあしらいに使った。3人は「思い切った作品にすることができた」「華道の楽しさを知れた」「苦手だった技法を使って新しいことができた」とそれぞれに手応えをつかんだ様子だった。

 顧問の小川由佳教諭は「限られた練習時間でよく仕上げた。花を通じて人との交流を深めるとともに、日本の伝統文化を外へ発信していくきっかけになったのでは」と話した。

2018年8月11日付729号15面から

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